在留カードとは何か
日本に中長期に滞在する外国人に対して発行される入国許可証明書。入管法の改正により新しく発行されるようになりました。
記載事項に変更が生じた場合には法務大臣への変更届けが義務付けられるなど、常に最新の情報が反映されるように工夫されています。
◆以前の外国人登録証明書との違い
・交付対象者が中長期在留者に限定されています
在留カードは,我が国に中長期間適法に在留する外国人にのみ交付され,不法滞在者等には交付されません。・就労可否の判断が容易になりました。
在留カードは,在留資格等について常に最新の情報が記載される上,券面には,就労制限の有無や資格外活動の許可を受けているときはその旨を記載しますので,事業主等が,在留カードを見ただけで,当該外国人が就労可能な在留資格を有しているかを容易に判断できるようになりました。・記載事項の正確性が確保されています。
在留カードの交付を受けた外国人は,記載事項に変更が生じた場合には,法務大臣に変更届出を行うこととされていますので,在留カードには常に最新の情報が反映されます。また,法務大臣が,必要に応じて届出事項について事実の調査をすることができるなど,在留カードの記載事項の正確性を確保するための制度が整備されています。・記載事項が整理されました。
外国人登録証明書には,登録事項のほとんどが記載されていたのに対し,在留カードには,個人情報保護の要請等にかんがみ,必要最小限の情報しか記載していません。在留カードの手続きと届出について
中長期在留外国人の届出は、主に市区町村と地方入国管理官署の二つに分かれます。①市区町村への届け出
市区町村への届出としては「住居地の届出」があり、日本に新規上陸して住居地を定めてから14日以内に市区町村へ届け出ることになります。住居地移転の場合も同様で、届出の方法については従来の外国人登録制度においては認められなかった任意代理人や使者等についても認められます(入管法第六十一条の9の3、同法施行規則第五十九条の6)。②地方入国管理官署への届出
氏名、国籍・地域、生年月日、性別、所属機関、離婚または死別による配偶者との身分関係に関する変更があった場合には、14日以内に地方入国管理局等に届出をする必要があります(入管法第十九条の10、第十九条の16)。このなかの所属機関とは在留資格「技術」や「人文知識・国際業務」等において在留資格取得の基礎となる存在の機関のことを言い、勤務先や学校等のことをさします。これらに関し変更があった場合には、地方入国管理局等に届け出ることになります。ただし、「芸術」「宗教」および「報道」の在留資格を有する者については、必ずしも所属機関の存在が在留資格の基礎とはなっておらず、在留管理上の問題が生じているものでもないことから、対象となっていません。在留カードにおける注意点と罰則
・住居地を定めた日または新住居地に移転した日から14日以内に届け出が無かった場合、在留資格が取り消される場合があります(入管法第二十二条の4第一項第8号)。また、住居地に係る届出に関し、虚偽の届け出をした場合は、1年以下の懲役または20万円以下の罰金に処せられることがあるほか、虚偽届け出をして懲役に処せられた場合は退去強制事由にも該当します。
・届出をする必要があるのは、雇用契約等の契約の相手方である所属機関に関し変更が生じたときなので、たとえば、同一の所属機関内の転勤については、届出をする必要がありません。
・その他 、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「家族滞在」「特定活動」の在留資格の基礎になっている者の場合のみ、離婚、死別のときに地方入国管理局等に届け出る必要があります。ただし、「定住者」の在留資格をもって在留している者については、配偶者との離婚または死別があっても、届出をする必要はありません。なお、所属機関に関する変更や配偶者との離婚等に係る届出の必要な者が、その事由が生じた日から14日以内に届出がなかった場合、20万円以下の罰金に処せられる場合があります(入管法第71条の3第3号)。
在留カードの有効期限と再発行について
交付された在留カードには有効期限が設けられており(入管法第十九条の5)、その期限までに更新を行わなければなりません。永住者以外の方 | 16歳未満の者 | 在留期間の満了日または16歳の誕生日のいずれか早い日まで |
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16歳以上の者 | 在留期間の満了の日まで | |
永住者の方 | 16歳未満の者 | 16歳の誕生日まで |
16歳以上の者 | 交付の日から起算して7年を経過する日まで |
うっかり更新期間を忘れて在留カードの有効期限が経過した場合には、一刻も早く在留カードの有効期限の更新申請をしなければなりません。また、病気入院などの理由で自ら在留カードの有効期間更新申請等が出来ない場合には、同居する親族が変わって手続きを行うことになります。この手続きをするべき親族が申請をしなかった場合には5万円以下の過料に処せられることがあります(入管法第七十七条の2)。